NPO法人の事業別損益を経営判断に活用するポイントについて

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NPO法人の事業別損益を経営判断に活用するポイントについて

 おはようございます。だいぶん気温が下がっている今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。自宅は標高300メートルの山の麓にありますので、随分寒くなっている感があります。これからは紅葉の季節が始まりますね。そうかと言えば、桜が季節違いで咲いてる地域もあると聞いています。

1.事業別損益を経営判断に活用することの意味

 何やら変な気候ですが、さて、時間が空きましたが、事業別損益の3回シリーズ最終回にしたいと思います。これまで事業別損益の重要性や実務上の対応について述べてきました。
http://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201809/15
http://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201809/26

 あらためて、事業別損益を把握する目的は何でしょうか。NPO会計基準で義務付けられているからでしょうか。もちろんそれもありますが、経営判断に活用するためです。事業型NPO法人の経営者にとって、その事業の採算や継続性を見るためには、当然にその事業が黒字か赤字かを知っておく必要があります。

 残念ながら、私がこれまで関わったきたNPO法人の中で、そうしたことの意識が十分でない経営者がいることもあります。逆に、そうしたことを積極的に意識して経営している法人経営者もいます。この辺は、かなりばらつきがあるというのが率直な印象です。

 私としては、それぞれのNPO法人が自らのビジョンミッションを掲げて事業をするわけですから、持続可能な経営を継続させるためにも、法人の事業を計数でしっかり把握していただきたいと考えています。

2.事業別損益を経営判断に活用する際の留意点その1

 では、NPO法人の事業別損益を経営判断に活用する際に何に留意すれば良いのでしょうか。ひとつは、計画と実績の比較です。NPO法人の事業計画における収支計画において、収支差額0を作成している法人を見ることがあります。

 この時点で、本当にこのNPO法人は事業で利益を上げる意識があるのかを疑ってしまいます。民間企業ならあり得ないことです。利益が出ないと次の事業活動の原資が不足することになりかねません。

 そうではなく、計画時点からこの事業で利益を出すのだという意識の下、黒字の収支計画を作っていただきたいと思います。そう、利益を出すのだという経営者の感覚です。この辺は、非営利法人であるNPO法人の経営者にとって違和感を持つ方も少なくないと思います。

 そこは、NPO法人のビジョンミッションを達成するために、持続可能な経営を継続させるためには利益があって初めて成立することを意識していただければと思います。

 その黒字の計画と実績を比較してみてください。当然に差異が出ますので、次のアクションとして差異の理由を把握します。そして、その差異を分析して次の手立てを検討し、実行に移す。すなわち、PDCAサイクルを回すということになります。

3.事業別損益を経営判断に活用する際の留意点その2

 もうひとつは、これを多様な関係者と共有することです。法人内部であれば、他の役職員と情報共有し利益を出すために、どのような体制で何を管理し実行していくかについて、日々の業務の中で役割分担したうえで実行することになります。

 つまり、事業別損益の情報を法人内部関係者の共通言語のように位置付け、これを目標としてそれぞれの業務を実施していく。もちろん、NPO法人のビジョンミッションの達成が前提にあり、その達成目標としての共通のベクトルとして利益を設定するという感じです。

 これを法人外部に目を向けると、NPO法人のビジョンミッションの達成をコミットするものとして、事業別損益の開示があります。NPO法人のビジョンミッションを達成するためにしっかりと利益を出しており、それを事業別に管理していることを知らしめるのです。

 この事業別損益の開示により、NPO法人の信頼性を向上させる効果が期待できます。NPO法人のビジョンミッションを達成するための利益をしっかりと稼ぎ出しており、その管理もできている。

 これを民間企業や住民から見ると、信頼の高いNPO法人と評価することが可能となります。そうすると、民間企業や住民が協働するパートナーとして相応しいNPO法人と見てくれる可能性が拡がってきます。NPO法人の信頼性を自らの意識と行動で獲得することができるのです。

 以上、NPO法人の事業別損益を経営判断に活用するポイントを述べてきました。事業別損益の活用について、すでに実施しているNPO法人はさらなる経営向上に向けてレベルアップしていただき、これからというNPO法人はぜひとも、この事業別損益の把握と活用を日常業務に取り入れてみてください。

 当方は、こうした観点からのサポートが可能です。ご質問等あれば、ご連絡いただければ幸いです。