決算書の読み方と企業の見分け方3

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決算書の読み方と企業の見分け方3

 おはようございます。梅雨の間のつかの間の天気ですね。先週の土曜日に、以前、プロボノでお世話になったワーカーの交流会に行ってきました。何でも500人を超えた記念というタイトルで、これまで関与したワーカーが久しぶりに一堂に会して交流を楽しみました。

 今は引っ越しをした前の事務所での開催で、久しぶりの訪問となりました。白い土壁、モノトーンな天井、黒い砲台のようなプラスチックの椅子など、当時を思い出すアイテム満載で、あー、帰ってきたなあという感覚は何とも心地良いものでしたね。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
①損益計算書は、企業の事業活動の成果を測る成績表である
②貸借対照表の資産は、事業に資金を投入した結果である
③損益計算書は、マクロとミクロで見る視点を変える

 さて、本日のテーマは「決算書の読み方と企業の見分け方3」です。前回、貸借対照表は資金を調達する源泉であるとともに、事業に資金を投入した結果であり、企業活動を行う資源の連結幹であることをお伝えしました。今回は、損益計算書です。

①損益計算書は、企業の事業活動の成果を測る成績表である

 自分で書いてて今更ですが、損益計算書は、企業の事業活動の成果を測る成績表です。売上はもちろん、最終的には当期利益で企業及び経営者の業績を評価されます。利益は段階的に売上総利益、営業利益、経常利益、税引前利益、当期利益と区分表示されます。

 それぞれの段階別利益で、企業の利益が本業との関連性が強い営業利益及び経常利益とそれ以外の段階利益に区分されます。これにより、企業の本業の業績評価をするとともに、同業他社との比較や企業における時系列の比較が可能となります。

 営業外や特別損益も企業1年間の事業活動の中で発生するものですので、当該事業年度での損益を構成しますので、こうした損益も当然に企業の業績評価の対象に含まれ、最終的には当期利益で1年間の成績を示すことになります。

②損益計算書は、マクロとミクロで見る視点を変える 

 損益計算書は、マクロでは上記のような売上高と段階別利益を見ることで、対外的にはその内容や大きなトレンドを説明できるようにしておく必要があります。すなわち、企業の売上高の趨勢はどうなっており、特に前期との比較での増減分析は必須となります。

 利益についても売上高と同様、段階別に過去からのトレンドと直前での増減分析を行いますが、これらはいずれも株主や金融機関、取引先や従業員などの関係者に対する説明責任のレベルです。すなわち、マクロでの分析であり、経営の視点から言えば、言うまでもなくミクロの視点が重要です。

 このミクロの分析をどのように行うかは、企業により様々なものがあります。管理会計の領域に入りますので、経営管理目的により、いろいろな手法を駆使して分析を行うことになります。

③セグメント別分析は必須の分析

 すでにいろいろなところで書いていますが、企業のセグメント(事業)別損益は、企業のビジネスモデルや利益の源泉を把握する情報です。このセグメント(事業)別損益情報を見れば、どのセグメント(事業)が儲かっており、あるいは赤字になっているか一目瞭然です。

 そこではセグメント(事業)にかかるヒトモノカネが集約されているので、企業の強みや弱みをある程度見ることができます。この企業のコアのセグメント(事業)は何か、何で稼いでいるのか、同業他社と比して上回っているのか下回っているのか、さらには5年間程度のトレンドはどうかなど見るポイントはいくつもあります。

 これらのポイントは、あくまで数値から見た項目です。これらの情報は、企業を深く見る際のとっかかりにすぎません。他の非財務情報と併せていろいろな角度からセグメント(事業)別損益情報を眺めることをお勧めします。

 そうすると、数値に現れない企業(経営者)の意図や方向性が見えてきます。企業(経営者)はどの部門に重点的に資源を投入してどこを目指そうとするのか、その実態がきちんとセグメント(事業)別損益に反映されているのかなどを先読みすることができるようになれば、次の一手への対処方法も見えやすくなります。

 この辺は、企業(経営者)の対内的な視点から見る場合と、外部からの視点で見る場合と多少異なることはあるかもしれません。ですが、見るべきポイントはそう変わらないと思います。まずは、ご自身の法人のセグメント(事業)別損益をじっくり見られてはいかがでしょうか。