NPOと企業の協働について-CSVの観点から-

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NPOと企業の協働について-CSVの観点から-

 おはようございます。今日は連休のど真ん中ですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。まだまだ寒い日が続き、大雪で大変な思いをしている方々も多いと思います。一方で、少しずつ日が長くなるのを着実に感じている今日この頃です。春が待ち遠しいですね。

 さて、今回から表題のテーマを少し追ってみたいと思います。きっかけは、あるところでNPOと企業の協働について発表することになったことです。自分の考えを整理する意味もあり、何回かに分けて、日頃ぼんやり考えていることをまとめて行きたいと思います。

1.NPOの意義
 
 第1回目は、NPOの意義と多様な関係者との連携です。関係者にしたら何を今更と叱られそうですが、後で出て来る企業との協働を視野に入れた場合、そもそも「自分たちの存在意義は何だ」ということについて、あらためて問い直すことが必要と考えています。

 NPOの範囲を広くとると、一般には営利を目的とせず、公益的な市民活動を行う民間団体を言うことについては、異論はないと思います。そこには、個人やボランティア団体など、法人格の有無を問わない団体ということができます。

 ですが、ここでは、特定非営利活動法人、すなわち、特定非営利活動促進法に基づき法人格を取得したNPO法人をNPOと定義します。何故なら、企業と連携するには、組織としての対応が求められるからです。もちろん、個人やボランティア団体を否定するものではありませんが、企業と同じ土俵で対応するということで、法人を前提としています。

2.NPOの立ち位置と持続可能な運営

 NPOは、営利を目的としないことは言うまでもありませんが、収益を目的とする事業を行うこと自体は認められています。つまり、利益を上げて良いが、分配はできないということですね。NPOが法人である以上、事業活動をするには資金が必要です。

 当然のことですが、その活動資金を得るのに収入(利益)を獲得しなければなりません。ただし、事業で得た収入(利益)は、様々な市民活動や社会貢献活動に充てることが義務付けられているという建付けですね。

 でも、NPOは民間企業と異なり、活動の対価を受益者から受けることが必ずしも想定されていないのが特徴です。これは、容易にわかりやすいものです。たとえば、困っている人に手を差し伸べてサポートする活動をしているNPOが、その人から対価を受け取るなんて考えていないということになります。

 一方、こうした活動を事業として継続するためには、多様な関係者から多くの資源を集めて効率的効果的に実施しなければなりません。そのためには、法人を存続させ持続可能な運営を行う戦略を策定し、実行することが求められます。継続して初めて、NPOの立ち位置と存在意義が問われるということになります。

3.NPOが多様な関係者との関係を構築する必要性

 NPOの成長戦略を策定するうえで最も重要なことは何でしょうか。いろいろな考え方はあると思いますが、私はいかにしてNPOのビジョンやミッションについて、多様な関係者から共感と賛同を得るかであると考えています。

 NPOは、どちらかというと脆弱な財務体質の法人が多いので、できるだけ多様な関係者から多くの資源(リソース)を吸引することが必要と考えます。その資源(リソース)の有償無償は問いませんが、NPOの裁量で使える財源(資金)が多ければ多いほど、活動の範囲が拡がることが期待できます。

 そのためには、NPOと関わりを持つ多様な関係者がそのNPOを応援する仕掛けとチャンネルをできるだけ多く持つことが必要となります。つまり、NPOと関わりを持つ多様な関係者との接点を繋ぎ、良好な関係性を構築することが求められるのです。

 少し長くなってきたので、この続きは次回にさせていただきます。次回は、NPOのファンドレイジングの重要性を考えて見たいと思います。