監事監査の留意点(5)

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監事監査の留意点(5)

 おはようございます。昨日はサラブライトマンのコンサートに行ってきました。サラブライトマンは弟から教えてもらったのですが、もともとはクラッシク畑の歌手で、ソプラノの魅力を存分に味わうことができました。

 圧倒的な声量と透き通るような高音のアンサンプルが絶妙で、何十年ぶりかのコンサートであったことを忘れさせてくれるぐらい、素晴らしい声に聞き惚れていました。たまにはコンサートに行って、生の歌や演奏を聴くのはいいものですね。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
①監事は監査をどのくらい実施している?
②監事監査を網羅的に実施するツールの活用
③チェックリストにある事項を掘り下げる

 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(5)」です。前回、監事は積極的に監査の情報を仕入れて、監事の専門性を追求する必要があることをお伝えしました。今回は、監事監査のチェックリストについてのお話をしたいと思います。

①監事は監査をどのくらい実施している? 

 監事は、業務監査をしなければなりませんし、会計監査もしなければなりません。理事会等にも出て役員の執行チェックもしなければなりません。こうしてみると結構盛りだくさんですね。それらの業務をとても限られた時間で実施することを求められますので、大変です。

 そうしますと、どうしても優先順位を付けて監査をすることになります。あれもこれもできないかも知れません。もちろん、時間があればたっぷりとやることもできます。この辺は監事が置かれている環境や立ち位置の問題です。

 どれくらい監査を実施すればよいなんて特段ありません。監事がこれで十分と思える、あるいは、最低限これこれの監査を実施したと関係者に説明できるレベルを自分で作っていくしかありません。

②監事監査を網羅的に実施するツールの活用

 とは言うものの、いったいどれくらい実施すれば良いかわからないという監事さんもいると思います。その場合、一つの方法として監事監査のチェックリストを使うことをお勧めします。

 たとえば、NPO法人の監事ですと、ご存知の方も多いと思いますが、NPO 法人NPO 会計税務専門家ネットワークでは監事監査のチェックリストを公表しています。http://cache.yahoofs.jp/search/cache?c=nhItKVwN0E0J&p=%E7%9B%A3%E4%BA%8B%E7%9B%A3%E6%9F%BB%E3%81%AE%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88&u=npoatpro.org%2Fkaikeitools%2Faudit.pdf#search=’%E7%9B%A3%E4%BA%8B%E7%9B%A3%E6%9F%BB%E3%81%AE%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88′

 このチェックリストは監事監査をある程度網羅的に記載されていますので、この中から自分がこれと思うものを実施すればよいのです。もちろん、時間のある方は、すべてやっていただいて結構です(笑)。他の非営利法人でも多かれ少なかれこうしたチェックリストはあるはずです。

③チェックリストにある事項を掘り下げる

 このチェックリストを実際にやろうとすると、結構、大変なことがわかります。ある程度監査の知識や情報、さらには経験がないとチェックリストの項目をこなせないと思います。重要なことはそうした項目を完璧に実施するのではなく、できるところからやるということです。

 監査の専門家ならともかく、そうでなければ実際のところ、このチェックリストをすべてこなすには現実的には無理があります。そうではなく、自分が大事だと思う事項をとにかくやってみる。そのうえで、少しずつ監査の項目を増やしていけばよいのです。

 だれでも最初から完璧にできる人はいません。ただ、やる以上は中途半端にしないことが肝心です。わからなければ、自分で調べる、人に聞く、研修会に参加する、方法はいくらでもあります。自分なりのやり方でどんどん深堀をして行けばよいのです。

 監事として果たすべきマインドさえあれば、それで十分です。そのマインドを持って、できるところから、自信を持って監査をしましょう。その姿勢があればきっとできると確信しています。その意味で監事さんにエールを送りたいと思います。