おはようございます。そろそろ桜前線の便りがちらほら聞こえ始めていますが、雪が結構降っている地域もあります。日本は広いですね。昨日、家の近所の桜を見ていると、まだつぼみは固く、しばらく先のような気がします。みなさんの地域ではいかがでしょうか。
さて、このシリーズも今日で5回目と言うことで、いつまで引っ張っているんだという声が聞こえてきそうです(笑)。ですので、今回で打ち止めにしたいと思います。今日は、戦略的な企業へのアプローチを行うNPO法人の実施体制と専門家や中間支援団体の役割について、述べたいと思います。
本気で企業と関係構築しようと思えば、業務の片手間にできるものではありません。NPO法人の中には、専担のファンドレイザーやCSV担当を置いているところもありますが、そのようなNPO法人はまだまだ少ないと思います。
しかしながら、NPO法人の方針として企業と関係構築することを事業計画の中に位置付け、法人全体で取り組む姿勢を示す必要があると思います。そのうえで、担当者を決める。専担であれば理想的ですが、兼務でもまずはあなたが企業の窓口ですよと言う宣言を内外にするのです。
そうすると、その本気度を法人内で共有することができますので、担当者本人はもちろんのこと、他の職員の有形無形の協力を得ることができます。逆に良くないのは、そうした方向性を示さずに始めることです。責任の所在が不明確になり、対応がおざなりになるリスクが高くなります。
企業と関係構築することをNPO法人のトップ自らが宣言し、その責任の下で事業計画に組み込み、PDCAを中長期的に回していく。1年や2年でものになるわけではありませんので、中長期的な期間の中で、実行していくことが求められます。
一方、そうした方向性を示したとしても、NPO法人のリソースが不足していることも十分考えられます。その不足を補完するものとして、中間支援団体の役割があり、こうしたNPO法人を支援する団体も少なからずあります。
NPO法人を啓蒙するCSV関連のセミナー開催をしたり、CSVを仕組みとして定着させる伴走型の支援をすることもあります。さらにはそうした想いのある企業とのマッチングなどをすることもあります。
専門家は、そうしたNPO法人を応援する観点から、自身の専門領域で貢献することが可能です。私の場合であれば、企業に信用してもらえる事業報告書や決算書の向上です。企業と同じ土俵で議論するには、しっかりした事業内容や財務情報を適切に簡潔に説明する資料を用意する必要があります。
具体的には、CSVにコミットした事業報告であり、その活動結果をきちんと財務情報に反映していることが求められます。そこにNPO法人の本気度を読み取ることができるからです。それが企業と信頼関係を構築するツールにすることができるからです。
このように、NPO法人が本気であれば、協働したり支援したりする専門家や中間支援団体を上手く見つけて、リソース不足を補うことが可能となります。私も微力ながら、そうしたお手伝いができればと考えています。
以上、5回にわたり、FRJ2017 ファンドレイジング・日本に行ってきた総括をしました。できるだけ企業と信頼関係を構築し、有効なファンドレイジングの一つとして、寄附等の財源確保を戦略的に行うNPO法人が出てくることを願ってやみません。