監査を受けている公益法人に対する実務指針の影響について

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監査を受けている公益法人に対する実務指針の影響について

おはようございます。久しぶりの投稿です。
2月もあっという間に過ぎ去ろうとしています。本日は2月最後の日曜日ですが、いかがお過ごしでしょうか。朝の明るくなる時間がどんどん早くなり、春の兆しの一つかもしれませんね。

 さて、本日は公益法人の会計基準実務指針のお話です。昨年12月22日付で、公益法人会計基準に関する実務指針(非営利法人委員会実務指針第38号:公益法人会計基準に関する実務指針)が公表されていますが、いくつか公益法人にとって影響が出るかもしれない事項がありました。

 公益法人会計基準も企業会計基準に係る事項を後追いしています。全体的な方向性として、公益法人会計基準に定めがないものは企業会計基準を適用するからです。適用に当たり具体的な処理等については、会計士協会に検討が打診されており、実務指針が順次改正されている状況にあります。その中で、以下の項目が追加されています。

①資産除去債務に関する会計基準
②賃貸不動不動産の時価等の開示に関する会計基準
③会計の変更および誤謬の訂正に関する会計基準

 このうち、公益法人にとりわけ影響があるのが③の会計の変更および誤謬の訂正に関する会計基準です。これは、ざっくり言うと、会計方針の変更や過去の決算の誤りがあると、すでに総会で承認済みの決算書の数値を訂正するということを規定したものです。

 特に、過去の会計処理や表示の誤りはよくあることですが、こうしたことが後で判明した場合、過去の決算数値の修正をする必要が出てきます。ただし、実際には決算書そのものを修正するのではなく、過去の誤りの再修正を注記で記載することになります。

 そうすると、これまでは過去の決算の誤りがあっても修正しないままやり過ごしたり、それとなく修正するなんてことはできなくなることが想定されます。これは、元々、民間企業での会計ルールが非営利法人にも適用されたものですが、財務諸表の期間比較や法人間比較の観点から有用と判断されたことによります。

 ただし、会計の変更および誤謬の訂正に関する会計基準が適用されるのは、監査対象なるような公益法人において適用されることとなっています(非営利法人委員会実務指針第34号)。よって、当面は、法定又は任意監査を受けている公益法人が適用されると考えられます。

 それ以外の公益法人は適用しなくても良いということになりますが、自主的に適用することは妨げません。法定又は任意監査を受けていない公益法人はたちまちの影響はありませんが、指導監査を受けている公益法人など、所轄庁の方針によっては適用される可能性も考えられます。

 今回の実務指針の改正をどのように受け取るのかは、公益法人により様々な対応を迫られるかもしれませんが、適用する法人はしっかりと対応することで他の法人との違いをアピールできる機会になります。

今後も、こうした情報は積極的にお知らせしていきたいと思います。