監事監査の留意点(3)

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監事監査の留意点(3)

 おはようございます。昨日は夏風邪ですべての業務をキャンセルして、終日、自宅にいました。今朝は少し眠れたのですが、その分、寝坊しをしてしまい、まだ、ぼーっとしています。本日は、もともと溜まった報告書の作成等で自宅での作業でしたので、この2日間で何とか回復できればと思います。
 
 この週末は、最近では珍しく発生が遅い台風の影響のせいか、大雨の予報が出てきそうです。大きな問題にならなければよいのですが、反面、水不足の声も聞こえてきます。ダムにまとまった雨が降ってほしい関係者も多く、雨乞いまでしているニュースもやっていました。

 関わる関係者により、一つも事象も評価が変わる。そんなことをぼんやり考えながらの始動となりました。今日も少しは元気で行きましょう。

(要旨)
①監事は理事会等に出て第3者の視点で発言すべし
②決算監査では必ず現預金のチェックをすべし
③団体内の情報収集に努めるべし

 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(3)」です。前回、非営利法人の監事監査の種類は会計監査と業務監査であり、実際には法人によっては会計監査が業務監査を兼ねていたり、諸般の事情で監査に時間が掛けられていない実情をお伝えしました。今回は、監事監査で重点的にすべき事項についてのお話をしたいと思います。

①監事は理事会等に出て第3者の視点で発言すべし

 監事監査の重要な監査業務に理事会等への出席があります。この出席というのは当然のことですが、単に出席するのではなく、そこで第3者の立場で意見や質問をすることが求められます。ガバナンスの一つですね。執行機関である理事や理事会へのチェック機能を果たすには、こうした外部の目の視点がとても重要です。

 この監事に求められるガバナンス機能をいかんなく発揮すればよいのですが、実際のところはいかがでしょうか。誤解を恐れずに言えば、理事会等への出席をしても話を聞いているだけ、はたまた忙しさにかまけて理事会等への出席は年1回の決算理事会のみとなっているケースもあるかもしれません。

 そのような姿勢であれば、本来の監事の役割を果たしていないと言われても仕方がありません。もちろん、いろいろな事情で理事会等への出席ができない場合もあります。その時でも、理事会等での議論がどんなことがされ、何が問題となったか、議事録等で情報収集することは可能です。

 肝心なことは、監事として意見や質問をすることです。それが良い意味での役員間の緊張関係を維持することができます。しっかりと理事たちの活動を見ていますよというアナウンスを監事自らが行う必要があります。

②決算監査では必ず現預金のチェックをすべし

 これは、どの監事もさすがに実施していると思います。ですが、どこまで実施していますでしょうか。担当者から決算説明を聞いていくつかヒアリングしているだけということはありませんでしょうか。

 もちろん、決算に際していろいろな角度から質問することはとても重要です。それにより、その年度の会計とそれに関わる業務についてある程度監査することができます。それに加えて、必ずしなければならない手続があります。

 それは、現預金を帳簿と外部の資料との照合です。現金であれば、現金実査表、預金であれば、銀行の残高証明や通帳との照合です。これは、監事として最低限実施しなければならない必須の手続です。

 過去の事件から、この手続を実施していれば防げたであろう不正事件がいまだに時々出ています。比較的小さな団体で、出納や経理事務を1人の人が実施している場合、どうしても誰もチェックしていないが故に、こうした問題が発生しやすいです。

 もし、そのようなことが行われていても、監事の監査でこれをしっかりやっていれば、ある程度は防げます。もちろん、相手が巧妙に残高証明等を偽造などすれば発見は遅れるかもしれませんが、それでもチェックされるということで抑止力にはなります。

③団体内の情報収集に努めるべし

 監事は、そんなに団体との接点がありません。せいぜい、理事会等に出席したり、年に数回、監査で伺う程度です。そうすると、どうしても団体との接点が少ないので、団体の情報に疎くなりがちです。

 当然ですよね。そもそも団体に行かないのですから。それを補うためには、フォーマル・インフォーマルな機会を活用して団体内の情報収集に努めることが求められます。その中で、いろいろな気づきがあるでしょうし、実際に監査に際してヒントになることがあるでしょう。

 情報は待っていても来ませんから、自ら取りに行く工夫が必要です。法人でもそうした監事が動けるための各種情報を積極的に提供することが必要です。この辺は、お互い様ですから、双方の姿勢がとても重要です。

 この辺は、いつも言っている監査に対してそれに関わる関係者の意識の問題ですから、スルーするのもそこに目が留まるのも関係者次第です。できれば、後者であって欲しいと切に願うばかりです。