監事監査の留意点(4)

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監事監査の留意点(4)

 おはようございます。昨日は大学の士業の集まりで勉強会に行ってきました。専門家の責任問題を研究するのがテーマでした。専門家はその道のプロですから、あってはならないのですが、いろいろな要因でミスをしたり、依頼者の求めるものとは異なる結果が出たことにより、専門家責任を負うケースも出てきます。

 こうした場合、訴訟案件になることもあり、お互い納得がいかない場合は最高裁まで争うことも珍しくありません。その根っこのところを探ってみると、コミニュケーション不足であったり、認識のずれであったり、ちょっとした双方の理解不足が原因になっていることも少なくありません。

 専門家として、平易に相手にわかりやすく伝えること、そうした積み重ねが大事であることをあらためて思い知りました。このブログも、小難しいことを言っているのではないかと自省している次第です。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
①監事は監査の情報をどこで仕入れている?
②監事も積極的に研修に行こう
③監事の専門性を追求することに終わりはない

 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(4)」です。前回、監事は理事会等に出て第3者の視点で発言し、決算監査では必ず現預金のチェックをするとともに、団体内の情報収集に努めることをお伝えしました。今回は、監事監査の研修についてのお話をしたいと思います。

①監事は監査の情報をどこで仕入れている? 

 監事はその専門性を発揮して、監事の仕事を全うしなければなりません。もともと専門性がある監事はその素養は持っていますが、監査をあまりしたことがない方が監事になることも珍しくありません。

 たとえば、同業の理事さんがお互いの法人の監事になったり、取引先や業界団体の役員をしている方が頼まれて監事になっていることがあると思います。そのような方でも、監査のご経験があれば良いのですが、そうでない方もいらっしゃいます。

 そうした監査のバックボーンがない方は、どこで監査の情報を仕入れば良いのでしょうか。先輩の監事から教えてもらうこともあるでしょう。過去の監査資料がありますので、それを眺めて大体どんなことをするかを把握することもあります。

②監事も積極的に研修に行こう

 それ以外にも、書籍を買ってきて勉強することもあります。ここでは、それに加えて研修に参加することをお勧めしたいと思います。巷には、監事に監査に関わる研修会は探せばいくらでもあります。

 民間の研修企業が行っている研修会に参加するとか、法人が加盟している上部団体の研修会に参加することもあります。研修内容もガバナンス法務や会計、監査は言うに及ばず、ITやセキュリティなど多岐に渡ります。

 あるいは、法人が普段お付き合いしている団体の監事が集まって、自ら監査の事例研修などをすることも可能です。この辺は、監事が研修することについて積極的な団体であれば、いろいろなルートで研修する機会を逃さないということが言えます。

③監事の専門性を追求することに終わりはない

 このように、監事になったらすることはいっぱいあります。それに対して監事の役割を果たすには、それ相応の情報を収集する必要があるということをあらためて強調したいと思います。単に理事会に出るだけが監事の仕事ではありません。

 対内的にも対外的にも、自ら情報を取りにいかないと取り残されてしまいます。知らなかったら聞けばよいのです。どこからでも情報を仕入れてくれば良いのです。そして、少しずつでも良いから、監査の専門性を付けていく努力をする。

 こうした積み重ねが監事監査の仕事のレベルが上がっていきます。自ら仕入れた情報を駆使して、監査をすることができます。ひいては、法人の事業活動のレベルを上げることに繋がります。

 監事がしっかり仕事をすれば、法人の活動が適切に行われるようけん制機能が働きますので、監査を通じて法人が向かう方向性を確認することができます。

 監事が法人に果たす役割はとても重要です。そのためには、監事が普段から終わりのない専門性を追求し、法人に貢献することを願ってやみません。