おはようございます。昨日は、大阪で100年以上も続く老舗と言われる会社の社長が話すシンポジウムに行ってきました。無料ということもあってか、結構の人数が入っていました。その中の一人が、これからの企業に求められるものとして、社会的使命を持つには企業はどうあるべきか、どんな理念や価値観を共有するのかと言ったことを熱く語っていました。
わが意を得たりというところでしょうか。そういうことを公衆の面前でも、しっかりと話される経営者も身近にいるのだということを感じました。もちろん、営利を追求する企業として、その戦略の中に、社会的公器である企業と世の中との関わり合いを中心に据えて行動する。それに共感賛同した多様な人々との接点を持つ。まさに、CSRを大事にした企業戦略を見る思いでした。
後の懇親会で名刺交換もでき、そうした経営者との関係を構築したいという想いを強く持つことができた1日でした。今後の軸足をそちらに加速できればと思います。今日も元気で張り切って行きましょう。
(要旨)
1.負債側の資金繰りの方法その3
2.負債側の資金繰りの方法その4
3.負債側の資金繰りの方法その5
さて、本日のテーマは「資金繰りと資金管理の具体的方法7」です。前回、個別の具体的な資金繰りの方法として、銀行との普段の付き合い方が大事であることをお伝えしました。今回は、残りの負債側の資金繰りの方法を述べたいと思います。
1.負債側の資金繰りの方法その3
負債側の資金繰りの方法として、最大のポイントは銀行から融資を引張ってくることですが、それでも限界があることが往々にして出てきます。つまり、新たな融資を受けることができない状況です。そうするとたちまち来る銀行への支払いをどうするかを突き付けられます。
その場合、銀行との取引条件の変更が考えられます。早い話が借金を約定通り返せないので、融資条件を見直してもらい、金利減免や元本返済の猶予、あるいは融資のまき直しなど、これまでの取引をいったんご破算にする方法です。
この辺は、かなり高等テクニックを要するので、信頼のおける専門家や協力者に相談するなどをお勧めします。世の中には多額の借金をものの見事に返した事例も多くあります。間違っても、お金のことで早とちりをして諦めないことです。諦めた瞬間に対応が後手に回ってしまいます。
2.負債側の資金繰りの方法その4
銀行との取引関係以外の負債側の資金繰りの方法は、実はあまり有効な方法はありません。たとえば、取引先との支払条件を変えることがあります。月末締め翌月払いを一定期間、翌々月払いに変更するのです。
ですが、これを債権者側からするとどうでしょう。支払(回収)条件が変わるということは、企業の信用不安にすぐに結びつきやすいです。本当にこれまで通りの取引をしても大丈夫かと不安になります。そうすると、直ちに回収に走るかもしれません。
ですので、そうした状況にならないよう、よほど上手く相手に説明して納得してもらわなければなりません。しかも、できるだけ合理的な理由で支払条件の変更がやむを得ざる状況にあることを説明することが求められます。
これも、長くは使えません。やはり、こうした条件変更が続くと信用不安に結びつきます。やるとしても本当にごく短期間、その間に必死で次の資金繰り策を考えるしかありません。
3.負債側の資金繰りの方法その5
同じ方法として、従業員の給与支払の延期、税金の支払延期、社会保険料の支払延期などがあります。いずれもハードルが高いです。ここまで来ると、いよいよ会社は危ないということになってきますので、この方法は実質的には使えません。
こうして見ると、負債側の資金繰りは、実は選択肢があまりないことがわかります。いずれも相手があることで、企業自らの判断で進めることができないからです。ですので、資金繰りの優先順位は当然のことながら、資産側、次いで負債のうち銀行との取引の順番です。
以上、負債側の資金繰りの方法を見てきました。少し暗い話になってしまいましたが、できればこの方法を使うことのないよう、経営者はしっかりとした資金繰り計画の実行を普段から行うことが重要です。次回は、資金繰りの総括をしたいと思います。