監事監査の留意点(6)

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監事監査の留意点(6)

 おはようございます。昨日は久しぶりに大阪のロイヤルホテルで昼食をとりました。午前中の打ち合わせをすまして、ホテルに移動し、しばしのゆったりの食事をすることができました。ロイヤルホテルの東隣には、大阪市の新美術館予定地と大きな看板が立っていました。紆余曲折がありましたが、大阪市が新美術館建設にゴーサインを出したものです。

 さて、今月もあと少しで終わりが近づいてきています。このブログも2月から始めて、半年が経過しようとしています。これに関して、今後の方針をどうするか思案しています。具体的には、7月31日(日)にお伝えしたいと思います。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
①監事になる人の心構えとは?
②法人の目指す方向について第三者の視点でチェックする
③監査を通して法人に社会に貢献する

 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(6)」です。前回、監事監査を網羅的に実施するツールとして、監事監査のチェックリストについてのお伝えしました。今回は、監事監査の総括をしたいと思います。

①監事になる人の心構えとは?

 これまで監事監査の留意点として、いくつかポイントとなる事項をお伝えしてきました。今回はそれを再度、重要と思われる事項を取りまとめたいと思います。まずは、監事になる人の心構えです。

 監事に求められる役割は、結構重たいものがあります。残念ながら、非営利法人でも相当の不祥事や不正事件が起こっています。その時、いつも思うのは監事はどうしていたのかなあということです。

 現状では、監事としてパフォーマンスを発揮する環境は、実はそれほど良くはありません。監事の能力、監査をする時間、場所、協力者など数多くの制約があることが事実として横たわっています。そうした制約条件の中で、監事としての心の持ちようはどうすれば良いのでしょうか。

②法人の目指す方向について第三者の視点でチェックする

 監事は、一義的には、理事等の役員の業務執行のチェックや決算のチェックをすることになります。ただ、それらの業務は、つまるところ、法人が掲げた理念やミッションが本当にその通り達成できているかを第三者の視点で観察し、チェックすることではないでしょうか。

 法人内部の関係者は、どうしても執行側として内向きの論理で物事を進めがちです。それも悪くはないのですが、それが度を過ぎると、知らないうちに法令や規則からはみ出たり、法人運営に偏りが出たりして、効率が悪くなることがあります。

 監事は、そうした状況をつぶさに観察して、第三者の視点でモニタリングし、チェックするのです。この第三者の視点、時には消費者の目かも知れません。また、時には取引先や銀行の目かも知れません。

 この多様な第三者の視点を常に重点を置くことで、法人を外からの意識を持って客観的に見ることができます。そして、その視点から何かおかしいことはないか、これって本当にロスが生じていないかと言った問題意識を持つことが大切です。

③監査を通して法人に社会に貢献する

 上記のことは、監事の姿勢の問題です。ですので、それをしっかりやろうとすれば、当然に時間とコストがかかります。逆に手を抜こうとすれば、いくらでも手を抜くこともできます。どちらのスタンスで監査に臨むのか、監事の姿勢が問われるところです。

 とは言っても、できることと、できないことがあります。与えられた環境や制約の中で、監査を行うしかありません。別に他の法人と比べることもありません。ご自身の団体の方向性をどのように監査するか、できることから地道に進めるだけです。

 強いて言えば、監査を通じて法人の役に立ち法人に貢献するのだという気概をもつことが重要です。そしてそのことが、法人が掲げた理念やミッションの達成に一役を担っており、結果として、広い意味では社会に貢献するのだという意識を持つことができればと思います。

 監事さんのすることはたくさんありますが、ご自身の業務を振り返り、あらためて監事の仕事を見つめていただく契機となることを願っています。